膠原病内科としての医者冥利
「本当に親身になって見てくれてありがとう」
時々患者さんやその家族から言ってもらえる言葉。医者冥利に尽きるとはよく言うものだが、本当にそう思う。
もちろん地域差はあるが、膠原病内科は科の特性から内科全般を見ることも多い。
膠原病があるということで内科としてのかかりつけになることも多い。
大学病院では無論そういったことは多くないかもしれないが、市中病院ではおおよそそのようなところが多い。
「関節リウマチの患者さんはドアノブも回すのが辛いから、
こちらから開けてお迎えしなさい」
膠原病の先代・先輩方から継がれてきた教えだ。
今やスライドドア式の診察式が多く、もはや言葉通りではなくなってはいるが、退院調整についても本当に「入口」から「出口」まで患者の生活背景や家族のこと、経済面までトータルで考える必要がある。
他の科ではそうでない、ということではないが、やはり膠原病というとやはり付き合っていく病気で、生命予後といった点の要素ももちろんあるが、多くはそれより生活の質に大きく関わってくる。
色々な世代で長い付き合いだからこそ、その人の色々なライフイベントに本当に一喜一憂する。
偉そうなことを言ってもヒラのへっぽこが言っていることだが、そんな自分でさえそう感じることがあるわけだから、諸先輩方は尚更のことだろう。患者さんのそんな言葉がオアシスのように感じる。
動物の中で人間にだけある感情は、
「人に喜んでもらえると嬉しい」
だそうだ。
「嬉」の漢字からもなんとなく想像できる。どんな仕事であっても人に喜んでほしい、という感情が原動力になるのかもしれない。
(また真面目すぎる記事を書いてしまい反省しています。笑)