いぬがお膠原病内科医の私情漏声

日常と趣味と医学少々。

思わせぶりモテの初期研修医

年が近いことや研修医とともに入る救急当直もあり、初期研修医の先生や実習で回ってくる学生と関わることが多い。

 

ローテートしてくれている研修医の先生に対して勝手に教育役を買って出ている。もし好きで選んでいなかったとしても、興味がなかったとしても、少しでも面白いな、と思って貰えるようにちょっとずつフックを置きながらスライドをコソコソ作っていたりする。(これがまた長いのが悪い癖だが…)

もちろん、アウトプットで自分自身に定着させることができるし、やってみると説明している中で新たな発見があったりして、自分の時間が割かれても価値はあるかな、と思ってやっている。

 

今の職場の研修医というかなり狭いフィールドの話ではあるが、1年目の前半でも◯◯科、或いは◯◯科で××を専門にしたい、とかなり明確に決めている先生が多いな、と感じる。

明確にやりたいことがあるのは、とても好ましいことだ。

 

初期臨床研修医はとてもストレスフルだ。

自分が学生の臨床実習、或いは初期研修で各科のローテートをするとき、

それとなく先輩から

「その科は考えていなくても、考えている・興味があるテイで」

と言われてきた。

 

教える側もどうしても人間なので、自分の科に興味を持ってくれる研修医・学生にはどうしても手厚くなってしまうものだ。

要は、

「教えて貰える機会が減るかもしれない」ので、各科で「太鼓持ち」「思わせぶり」をするというモテテクニックを駆使しなければならないのだ。

妻作「太鼓持ちの研修医」

揶揄するつもりはなく、それも十分必要なコミュニケーションスキルかな、とも思う。

やはりそれで受けなくてもいい熱烈な勧誘を受ける羽目になることもあるが…。

 

僕も内科系では「内科で考えていて幅広く…」、外科系では「内科系だけども術後の管理も…」的なことをその度答えていた。

 

個人的には、明確に目標がある人にとっては、そこに行くために必要なもの以外を削ぎ落とすのも悪くない考えかな、とも思う。

初期臨床研修医という立場上は当然幅広く経験することも必要だと思うが、全ての科でそうでなくてもいいかな、とも思う。

 

自分の行く場所に向かうのに、荷物が多いことが必ずしも良いとは言い切れない。関係ないが、僕は要領が悪いので、ちょっとしたお出かけでも大きめのリュックになる。当直でさえ、周囲から見れば1週間放浪の旅人だ(大袈裟)。

 

膠原病内科は全身に渡るのでよくわからない、と研修医からよく聞かれるが、そういった意味では幅広く知識は必要であって、荷物多めの僕の性に合っているかもしれない。

 

どう2年間を過ごすかでその後の臨床に対しての態度が決まる、と仰る先生もいらっしゃるが、必ずしもそうとは思わない。自分が好きと思えるものを見つけてからは、皆伸びしろは計り知れないわけだし。

 

関係あるところだけ掘り下げるもよし。

自分の科以外を経験することはその後は基本的にないのだから、せっかくなのでどっぷり浸かってみて自分自身が面白いと思うものを見つけるもよし。

 

どちらでもいいので、有意義な時間を過ごせるようにこちらは最大限サポートするのみだ。悔いない時間を過ごしてほしい。

 

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